鉄のイメージは非常にさびしい。鉄の仕事に携わる1人として鉄のことを少しづつ書きたいと思います。
鉄は重い、錆びる。冷たいなど一般的な誰でもが抱くイメージ。
鉄は重い。
たとえば鉄製のフライパンや鍋はたしかに重い。
主婦が鉄製は錆びるし、重いからと軽いアルミニュームに変わったのは何時からだろう?
昔、話を聞いたことがある。『ヨーロッパでは嫁入り道具に祖母や母が使用していた鍋やフライパンを持っていくと』 当然 丈夫な鉄や銅器なので腕っぷしの強い肝っ玉母さんを想像します。
アルミに変わったことで最近アルツハイマー病のことを耳にします。
もう一度鉄器を見直そう。
鉄は錆びる。
確かに湿度の高い日本では錆びは速い速度で進行する。しかし錆びによる腐食の度合いは10年で1mmと言われている。
錆びは茶色から漆黒まで色々な色合いを呈する。肥後象嵌は極端にさびを人工的にだした漆黒である。
赤茶けた鉄の色はすごくきれいと思うのは私だけでしょうか?
鉄は冷たい。
鉄製のスチール家具、塀、戸など確かに冷たい感じを受ける。直線的で味気なく冷たいだけ、もちろん事務所などは機能的でいいと思いますが、家庭ではどうかと思います。
デザイン次第で暖かく、楽しい鉄の家具、門扉など出来るはずです。
小.中学校で習った鉄器時代、器や武器は作られましたが他に見当たりません。日本では鉄の文化は無いようです。
野鍛冶、刃物の鍛冶屋職は現在でもありますが、生活に彩を添える鉄モノは無いようです。
ヨーロッパやアメリカでは鉄の工芸が盛んです。ガウディのデザインした門扉などすばらしいものがあります。
私の所属する
ABANA(Artist Blacksmith's Association of North America)のメンバーは4000人近くいます。
彼らの活動は多岐にわたりますが2年に1回開かれるABANA Conference、大学、寮、食堂全てを借り切りデモンストレーションや講義などを2日間約2,000人が集い、情報交換をするのです。
私は1996年Rochester NewYork 、98年 Asheville NorthCarolina 、2000年 Flagstaff Arizona 02年Lacrosse Wisconsin 06年Seattle Wasigtonに参加、多くのことを学び、友人も出来ました。
今年は歴代大統領の彫刻のある山ラシュモア山で有名なRapid city South Dakotaで行われますが残念ながら参加しません。